9.112016
IoTとDIKUWモデル(価値ピラミッド)

DIKUWモデル(価値ピラミッド)
IoTソリューションにおいては、モノに埋め込まれたセンサーから収集されるデータから、いかに多くの利害関係者の様々な意思決定に役立つ価値を引き出すことが重要となります。今回は、情報工学や知識工学の分野で使われているDIKUWモデル(またはDIKWモデル)をベースとして、駐車場に取り付けられたセンサーのケースを考えてみましょう。
データ(Data)
これは、センサーから直接的に収集される「生データ」を意味するものです。例えば、
- 空車(0)、満車(1)
情報(Information)
これは、データを何らかの基準、例えばヒト(Who)、モノ(What)、場所(Where)、時間(When)といったカテゴリで分類したものを意味するものです。例えば、
- この駐車スペースを利用しているのは誰か?
- 駐車している車両の種類は何か?
- 埋まっていない駐車スペースはどこか?
- 混雑している時間帯はいつか?
知識(Knowledge)
これは、情報から導き出される何らかの規則性や傾向を意味するものです。この知識を活用することによって、方法(How)に対する手掛かりを得ることができるでしょう。例えば、
- どのような課金方法を採用するべきか?
- どのように違反駐車を見つけ出すか?
理解(Understanding)
これは、知識として得られた規則性や傾向の原因や理由(Why)についての手掛かりとなるものを意味します。例えば、
- なぜ特定の駐車スペースだけが混雑しているのか?
知恵(Wisdom)
これは、私たちが最終的な意思決定をすることができる能力を意味します。人工知能やビッグデータ技術を活用することによって、意思決定を自動化することもできるかもしれません。
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これらの価値のベネフィットを受け取るのは誰でしょうか?
ドライバー、一般市民(通行人)、駐車場運営者、公共事業体、近隣の店舗などが挙げられるでしょう。特に、センシング・アズ・ア・サービスのビジネスモデルを構築する際には、DIKUWモデルは役立つものと思われます。
寄稿:ビジネスイノベーションハブ 白井和康